【講師インタビュー】アイデアが決め手! 高校から始めたプログラミングで数々の受賞歴を持つ上濱涼雅先生(N Code Labo秋葉原教室所属)

大学1年次に、東京電機大学、電気通信大学、慶応義塾大学の学生からなるチームのメンバーとして Discovery Hackathon 2021に参加。遠隔スイカ割りロボット「SUICOVERY(スイカバリー)」を作りあげ、最優秀賞を受賞。審査員および会場を巻き込んだプレゼンテーションは、高い評価を得ました。
その他にもJPHACKS 2023 Finalist、Open Hack U 2020 Online Vol.1 Happy Hacking賞(参加者投票1位)など数々の受賞歴を持っておられます。
技術力だけでなくアイデアも豊富な上濱先生から、その秘訣を聞いてみました。ご一読よろしくお願いします!

基本情報

東京電機大学 工学部 情報通信工学科
N Code Labo秋葉原教室 所属
・Open Hack U 2020 Online Vol.1 Happy Hacking賞(参加者投票1位)
・Discovery Hackathon 2021 最優秀賞受賞
・JPHACKS 2023 Finalist

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https://special.discoveryjapan.jp/campaign/hackathon2021/report1.html
https://hackday.yahoo.co.jp/history/digital2021/
https://jphacks.com/information/award-finalists2023/


遊びの中で試行錯誤するのが一番成長する

ーー上濱さんは大学1年生の時に、Discovery Hackathon 2021の最優秀賞を受賞されていますね。どういった作品だったんですか?

遠隔スイカ割りロボット「SUICOVERY」という作品です。人の声を感知して、オンラインでスイカ割りができるロボットです。
その時のハッカソンのテーマが、「リカバー」だったので、コロナで失われた人との触れ合いを取り戻そうということで、みんなでわいわいスイカ割りができるロボットを作りました。

ーー楽しそうですね

プレゼンの時は審査員の方達も巻き込んで楽しんでいただきました。突飛なアイデアだったんですが、リスクを恐れずチャレンジしたことが受賞に繋がったんだと思います。

ーー特に苦労した点はどんなところでしたか?

人間の声でロボットを動かす場合、まずセンサーで人の声を感知します。その後感知した音声から制御に必要な情報を抽出し、その音声情報を、今度はロボットが認識できる形に変換する必要があります。
初めの計画では、音声を全て文字情報として取り込み、その文字情報を数値に変換してロボットを制御する方法を考えていました。そうすることでロボットを柔軟に制御することができるからです。
しかし実際に制作を始めると、機構が複雑になりすぎることが判明し、断念することになりました。そこで音声の中から、スイカ割りに必要な「どの方向に」や「どれくらい進むか」を表す言葉だけを抜き出して、投票形式で制御するシンプルなものに変更しました。

ーー投票ということは、右と言う人が多ければ右に動くということですか?

だいたいそんな感じです。正確には、右という言葉を一番多く言えば右に動くというシステムです。だからすごく早口で、右右右と連呼すれば、他の人が左と言っていても右に動かすこともできます。

ーーそういう対決もできるんですね

そうですね、本来の目的とは違いますが笑。ともかくロボットをどういうシステムで制御するかというのが、一番苦労した点ですね。

ーー最近はどんなものを作っていらっしゃるんですか?

最近個人的に作ったものとしては、サーバーを管理する自動botや、ChatGPTを活用してチャットツール内で生身の人間とおしゃべりできるbotキャラクターとかですね。最近忙しくて、あまりこういう遊び的なものは作れていないんですが。

ーー遊び心は大事ですよね

そうですね。遊びの中で試行錯誤する段階が、実は一番成長するんじゃないかって思っています。モチベーションがある時に学ぶ方がアイデアも出やすいですし、身につきますよね。



大学入学前の学びが技術力のベースに

ーープログラミングを始めたきっかけはなんだったんですか?

本格的に始めたのは高校生になってからです。高校が東工大の附属高校だったんですが、一年生の時からプログラミングの授業があって、そこでC言語を学んだのが最初です。

ーースタートは早くはなかったんですね。そう考えると成長速度がすごいですね。秘訣はなんですか?

最初のうちは学校で配られるプリントのコードをひたすら自分でも書いていました。そのうちに機械学習に興味が出てきて、Pythonも始めました。その時に競技プログラミングにも出会って、一年ほどやりました。
初めにC言語をマスターしたことが、力のベースになっていると思います。

ーー高校時代はどんなものを作っていたんですか?

AIを使って画像分類をするモデルを研究していました。
例えばある画像が猫の画像かどうかをAIに判定させる場合、通常の機械学習では、人間が集めた猫のいろんな画像をAIに覚えさせて判定できるようにしていきます。それを、画像を集める段階もAIに任せてしまって、人間が「猫かどうか調べて」と入力するだけでAIが判定してくれるというモデルを考えていました。

ーー発想が素晴らしいですね

ありがとうございます。結局あまりうまくはいかなかったんですが、今の画像生成AIにも繋がる研究だったと思います。

ーー上濱先生は、いわゆる音ゲーが趣味なんですよね

そうですね。休みの日にはゲームセンターでダンスのリズムゲームをよくやっています。高校1年生の時からですので、もう5〜6年くらいやっていますね。

ーーじゃあかなりの上級者ですね。周りに人だかりとかできるんじゃないですか?

まあそうですね。外国人観光客が来て、めっちゃ見られたりします笑。ダンスのものに限らず、ゲームセンターにあるリズムゲームは一通りやったことがあります。

目標が大事。何がやりたいか分からない人へ

ーー上濱さんは現在N Code Laboで講師をされているわけですが、どうして講師に応募しようと思ったんですか?

自分のスキルを活かせるという点と、勉強しながら生徒と一緒に成長できるという点に惹かれたからです。生徒がレッスン中楽しそうにしていると、N Code Laboで働いていてよかったと思います。

ーーレッスンの中で生徒と一緒に成長しているという実感はありますか?

ありますね。Pythonコースを進めていくと機械学習といって、色々なデータをコンピュータに読み込ませて分析するという章に入っていくんですが、例えば商品データや販売データから、通販サイトのレビュー点数を予測するということもできるんです。
そのためにデータを集めていると、私も知らなかったデータがたくさん出てきて、こんなデータあったんだと思うことがよくあります。また、どういうデータの組み合わせにするとより精度が高くなるのか、生徒と一緒に考えることもあります。
こういう感じで私の方も勉強になることが多いです。学びがあるのは楽しいと感じますね。

ーーN Code Laboにお通いの生徒さんたちにアドバイスをするとしたらどんなことですか?

何をしたいかを明確にすることですね。
自分がプログラミングを使ってどうなりたいか、何をしたいのかという目標があるとモチベーションにもなりますし、そのビジョンを実現するためにはどうすればいいかを考えやすくなります。ビジョンを先生にも共有してもらえれば、先生も一緒に考えたり目標に向かって一緒に進んでいったりすることができるので、まずはそのビジョンを持つのが大事だと思います。

ーー目標が定まっていない人はどうすればいいでしょうか

プログラミングで何ができるのかを片っ端から見ていくのがいいと思います。
プログラミングを使って、ゲームも作れますし、webページも作れますし、自動化ツールを作って楽をすることもできます。そういうのをたくさん見ていくと、モチベーションも上がりますし、これをしてみたいという目標も出てくると思います。
だから私は、まだ目標が見つかっていない生徒さんを担当する場合、授業中にプログラミングで何ができるかというのを教えてあげるようにしています。
N Code Laboでは体験授業も受けられますので、少しでも興味を持っていただけましたら、是非お問い合わせいただければと思います。


インタビュー日 2023/12/12



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